五行の「金」にまつわるあれこれ
今回は、五行の「金」について。
「金」は・・・
季節でいえば「秋」
方位でいえば「西」
色でいえば「白」
金には「分ける」性質があります。
金が命式に多かったり特徴的な人は、好き嫌いがハッキリしていて論理的な思考をする人が多いです。スピーディーで決断力があるけれど、それゆえに行き過ぎると冷たい人のように周囲から思われることも。切換えが早いのも特徴です。
この対極の性質として「木」があります。これについてはまた後に書きます。
時代の変化に敏感で、刺激志向です。
金は本質的に「光りたい」ので、土に埋まることを何よりも嫌います。
命式で日干金で周囲が土だらけであったり、しかもそれが天干地支に透干していたりすると母親との関係性が普通ではなかったり問題があったりすることもあります。
十干でいうと、金は陽の金である「庚」と、陰の金である「辛」の2種類に分かれます。
「庚」
まだ精製されていない荒削りの金です。
陽の金なので、男性的でリーダーシップをとることが得意な人も多いです。単独行動を好み一見は物静かな人が多い気がしますね。
しかし、もともと土から出てきたまだ鍛えられていない金であるため火気によって鍛錬されていないとあまり本領を発揮することができません。特に「丁」によって鍛えられた庚は社会的に活躍しやすいといわれます。
色んな方を見てきて、上手に鍛えられいない庚の日干の人はけっこう精神的に脆い人が多いような気がします。有名人の命式なんかでは薬物中毒の人も数人見ました。激しさの中に脆さもあるからかなと。
通変でいうと「偏官」の性質に当てはまります。
「辛」
宝石など小さくて洗練された、柔らかい金のイメージです。
プライドが高く、常に自分が輝ける場所を求めています。十干のなかで一番神経質で、こだわりが強いため少々扱いにくい性質ではあります。
繊細で気がまわるタイプなので、異性から大切にされるタイプともいわれます。
水で洗われることを好み、辛の場合は身弱であってもあまり同じ「金」に助けてもらうことを好みません。
通変でいうと「正官」の性質に近いです。
なんだかドライであまり人間味のないようなイメージの「金」ですが、理的で冷静なこの性質は大切なものでもありますよね。
日干が「土」で食傷(自己表現)が「金」の人のなかには、やはり自己表現の仕方が金になるのでズバッとものを言うタイプやちょっとキツい物言いになる傾向もあるかもしれません。
良いところを挙げるなら、ズバズバものを言うけれどそれがまったく悪意のない場合が多く、尾を引かないさっぱりした性質であるともいえますね。
あくまでもこれらは基本的性質なので、命式によって本当にそれが千差万別に出てくるということを最後に書いておこうと思います。
「火」だからこう、「金」だからこう、ということだけでは決められないものです。
命式や大運に示されていないもの、
それは、
その人の心の次元
です。