文豪の命式と作品性① 江戸川乱歩
1894年10月21日生まれ 男命
丙 甲 甲
申 戌 午
江戸川乱歩は幻想怪奇小説や探偵小説などで有名ですが、本人は最初は意外ですが正統派志向だったそうです。
でも、正統派の小説を書いていた時よりも異端な小説を発表しはじめた時にブレイクしたようですね。
その理由は命式にそのままあらわれていると思います。
命式を一見した時にまず目につくのが・・・
年月の天干にある偏印
まさに偏った思考、異端、を意味する通変です。
そして、五行では木と火が特徴的な命式であることから、想像力の豊かさや感情の激しさをあらわします。
「印」は内向性や知識欲や思考も意味しますが、外側には向いていないため人間の内面への興味や関心が深く、過剰になると病的に思考の沼に陥ってノイローゼなどの精神的病にも通じてしまうこともあります。命式に程よくあれば集中力や思考力に長け頭の良さへと通じますが、ひとつ間違えると本当に人生が生きづらくなることもあるのです。
江戸川乱歩は人付き合いはあまり得意ではなく、自分の世界に没頭したり孤独を好む傾向にあったといいます。
命式から見てもその傾向は読み取れますし、自分の世界に没頭し小説を書くことで自分というものを表現しそうして生きる術を書き物の中に見出していたのかもしれませんね。
人間の暗部に深く入り込み、普通の人が表現できないようなところまでさらけ出すような作風は、乱歩の飽くなき探求心と好奇心からくるのでしょうか。
『鏡地獄』
『人間椅子』
『屋根裏の散歩者』
など、多くの乱歩の作品には、
見たくないけれどちょっと覗きたいような、誰もが目を背ける人間の心の奥底の闇を垣間見せられるようなところがあります。
独自性の塊のような作品が多いですね。
五行の「火」は表現欲であり、そしてある種の激しさもあります。
丙は本来、
カラッとした明るさのある太陽のような干ですが、この命式は三柱でみるとそのエネルギーは内側に向きやすく、ここに記載はしていませんが幼年期の大運(大運の初旬など)が水旺であり火の勢いが非常に弱かったことも影響しているのではと思います。
文豪にも色んな方がいらっしゃいますが、命式の偏りはやはりその作家さんの作品性をとてもあらわしているとどの方を見ても思います。命式の五行が偏っていればいるほど、独自性は強くなっている傾向はやはりありそうです。
江戸川乱歩に関していえば、
彼の異端児ぶりや興味が人間の心やその暗部に向いているところ、そして想像力が尋常ではないところは命式からも読み取れるところですね。
私自身、偏印の多い命式であるため同じような傾向があったりします。
だからかどうかは分からないけれど、乱歩の作品に心惹かれる部分があるのかもしれないですね。